WEBマガジン「連と尺」創刊によせて
愛知県岡崎市の中心部にある連尺通り。江戸時代から商人が集まっていたというこの通り名は、「連尺」と呼ばれる重たい荷物を運ぶときに使う背負い具が由来と伝えられています。古くは呉服商・木綿商・荒物・酒屋・油屋・小間物など武士の日用品や衣類を売る店が軒を連ね、賑わいを見せていた町だったようです。それら商店は代替わりを繰り返し、現在もなお軒を連ねてはいますが、全盛期に比べその数は減り、連尺通りには良くも悪くも静かな時間が流れていました。
しかし近年、時代の流れが変わり始め、通りに面する古びたビルに新しいカルチャーと感度を持ったラーメン店やレストラン、珈琲店などが増え始めました。2019年4月には、通りの東に位置する「籠田公園」が全面リニューアルオープンを果たし、2019年9月、元・酒屋で現・コンビニエンスストアとして営業を続けてきた「タックメイト・センガ」が店舗面積の半分を改装し、「LIVERARY Extra」という〈現代版お土産店〉と同居し始めました。同時に、同店舗を舞台に若手クリエイターたちが集い「これからのコンビニ」を考えていくクリエイティブ・プロジェクト「INC」といった動きもスタート。
町並みに新しい風が流れ始めるなか、この連尺通り(約300メートル)に特化した超ローカルなWEBマガジン「連と尺」が誕生しました。
旧来、商人の町であったことから生まれた「連尺」の名称/由来を飛び越え、私たちは世代や地域間を越境した「連なり」を連想し、改めてこのまちを、ここに暮らす人々を、私たちなりの「尺度」を持って捉え、見つめ直していきます。
そのような思いを込めた「連と尺」という新メディアと、界隈で次々と起こるアクションが、このまちとあなたの間に何か新しい関係を作り出し、さらには日常の中にフィードバックされる刺激やきっかけとなれれば幸いです。
Text : 「連と尺」編集部(2019.10.26)
サイトの構成について
1_連尺通りで見つけた一品/逸品紹介ページ。この町の魅力を連ね、来訪者に体感してもらうべく紹介していきます。
2_連尺通りの日常の一コマを切り取った、ミクロの尺度でのレポートを日々UPしていきます。